記事内に広告が含まれています

【大学付属中高を選ぶ甘い罠】デメリットはこれ!

受験合格のヒント

大学付属中高に行く甘い罠

菜の花子
菜の花子

高校受験の志望校決定にあたり、大学付属校を選ぼうかと迷っているご家庭のためのお話しです。

志望校決定にあたって、国公立か私立かという区別の他に、大学付属校にするか否かということがあります。一口に大学の付属中学や付属高校といっても、生徒のほぼ100%が併設大学に進学する学校と、一部が併設大学に進学し、残りは他大学を受験する「進学校」もあります。ここでは、「併設大学に進学することをあてにして、付属中学や付属高校を受験する場合」についてお話します。

将来、難関大学に進学したい、子供を進学させたい、とお考えの方に強くお伝えしたいのは、大学付属中高に行くという甘い罠にかからないで欲しいということです。

「甘い罠」と呼ぶ理由は、大学付属中高に行くメリットも当然あるからです。

大学付属中高に進学するメリットは?

・受験勉強をしないで大学に行ける。

・受験勉強がないから部活などに専念できる。

・受験にとらわれない本質的な学びができる(かもしれない)。

これらがメリットということができるでしょう。

併設大学への進学が保証されていれば、親も子も大学受験について気にすることなく、中学生活、高校生活を安心して送ることができます。好きなスポーツを存分楽しむこともできます。学校がHPで謳っているような、ペーパーテストのための勉強ではない、真の教育なるものを受けることができるかもしれません。

大学受験勉強の必要がないのは、確かに魅力的ですよね。

でも大学付属中高への進学には、良いことばかりがあるのではないのです。

大学付属中高に進学するデメリットは?

・中学入学・高校入学と同時に大学が決まってしまう。

・希望する学部に行ける保証はない。

・中学・高校で勉強をしなくなる。

・就職で不利になる?

こんなにデメリットがあります。つまり「甘い罠」となり得るのです!それぞれについて以下に細かく見ていきましょう。

デメリット1:中学入学・高校入学と同時に大学が決まってしまう

中学校で教員をしていた時、毎年中3生がそれぞれ高校への進学を決めていく場面を見てきましたが、選んだ高校を知ってショックを受けることが度々ありました。

とても優秀で、私の見立てでは将来国立大学を狙えそうな生徒が、例えば、明治、青山、中央、法政の付属校に進学を決めてしまう場合です。GMARCHレベルの大学が悪いと言っているのではありません。客観的にみて、この先普通に勉強をしていけば、高3になった時に外部受験でGMARCHには余裕で合格でき、早慶も十分可能性があり、国立も狙えそうな生徒が、簡単にその可能性を捨てて、将来を早々と決めてしまうのは惜しいことだということです。

中3くらいだと、大学受験についての情報やイメージをまだあまり持ち合わせていませんから、これは親御さんの考えによるところが大きいと思います。恐らく親御さんにしてみたら、GMARCHレベルの大学に進学できることは、とても誇らしいことなのでしょう。また大学受験で子供に苦労させたくないという気持ちが働くのでしょう。しかしそういう選択をしてしまうことで、子供がもっと上を狙えるチャンスを奪ってしまっているのです。

上記はほんの一例です。親御さんの自分自身の学歴や個別の大学に対する印象によって、子供を実力以下の大学付属校に進学させてしまうケースが多々あるようです。親は「私は○○大学卒だから、我が子が△△大学に行ってくれれば十分」などと、子供の能力ではなく、自分自身を基準についつい考えてしまい、子供はそれに従ってしまう傾向があるようです。

また、塾の勧めで早慶付属校などを受験する生徒もたくさんいます。塾にとってみれば、早慶付属や明治・中央付属などに合格してくれれば、塾の合格実績が上がります。生徒が優秀であればあるほど、塾に押されて複数の有名付属校を受験させられてしまうことになります。

しかしそのような優秀な生徒ほど、注意が必要です! 中学受験や高校受験で早慶に合格できるくらい能力が高い人は、慌てて早慶付属校に入学する必要はないのです。なぜならそのまま勉強を続ければ、高3になってからでもおそらく一般受験で早慶に合格できるからです。そしてさらに、国立大学に合格できる可能性も十分にあるからです。

中学受験や高校受験で難関の早慶付属校に合格できたら、周囲からもうらやましがられるし、嬉しいことですよね。しかしそのまま早慶付属校に進学してしまうということは、同時に国立大学進学のチャンスを捨ててしまうということです。学力が高い人ほど、早慶で満足していいのか、注意する必要があります。

小学6年や中学3年の時点では、将来子供の学力がどのくらい伸びるか、予想がつきません。予想がつかない将来について、安心を優先させて、進む道を早々と決めてしまうのには危険です。子どもを付属校に行かせるのはメリットもありますが、私なら、あえて付属校は受験させません。高3になってから、子供の努力と責任によって進学先を勝ち取らせる道を選ぶ方が賢明ではないかと思うからです。

デメリット2 希望する学部に行ける保証はない

小6や中3時では、子供の興味がどういう方向へ進んでいくか、大学で何を専攻したいと思うだろうか、まだ分からない場合が多いと思います。もし大学付属中学や高校へ進学したとして、大学進学の時期になり、本人の希望がはっきりしてきたら、結局その併設大学には学びたい学部がなかったという可能性は充分にあります。

例えば早稲田大学付属中学や高校に進学した場合、後になって医学部に進みたいと思ったらどうなるでしょうか。早稲田には医学部がありませんから、仕方なく医学部はあきらめて自分が行きたくない学部に行くか、あるいは、あえて他大学を受験しなければなりません。他大学を受験する場合は、高校からの受験指導はなく、周囲の友人は受験勉強をしないで遊んで(?)いる中、固い意志を持って一人で乗り切らなければいけないので負担が大きく大変です。

また、併設大学に自分が専攻したい学部・学科があったとしても、その学部・学科に進める保証はありません。併設大学に進学する場合、通常、高校での成績によって希望通りの学科に進めるかどうかが決まります。高校での成績が振るわなければ、全く興味のない学科に進まざるを得ない場合もあります。

4年間、大学で好きでないことを勉強するのは苦痛でしょうね。大学は学科によってキャンパスの場所が異なることもありますから、希望の学科に進めないだけでなく、行きたくない遠いキャンパスに通学することになる可能性もあります。

デメリット3 中学・高校で勉強をしなくなる。

大学付属中学や高校に進学した場合、受験の心配がなくなりますから、進学校に進んだ場合と比べ、当然勉強量が少なくなります。付属校でも定期テストがあり、怠けると留年の危険性がありますし、大学で希望の学科に進めなくなる心配もありますから、もちろん勉強をしないわけではありません。一生懸命努力する真面目な生徒もいることでしょう。けれども一般的に、大学受験に向けたハードな勉強とは質と量が異なります。

私のママ友で、お子さんが一般受験で早稲田大学の理工学部に進学した方から聞いた話です。そのお子さんは、早稲田の付属高校からエスカレーター式に入学してきた同級生の数学の出来の悪さに驚いたそうです。教授が内部から進学してきた学生に合わせて講義を進めていくので、内容が簡単でつまらないと文句を言っているそうです。

大学受験勉強は確かにしんどいです。しかし一生に一度くらい、死に物狂いで勉強する経験があったくらいがちょうど良いと私は思います。苦労して勉強して受験に成功したという経験を持っていた方が、のちに社会に出た時に、自信にもつながるのではないでしょうか。

デメリット4 就職で不利になる?

付属校から併設大学に進学した人は就職で不利になるのではないかと、巷で囁かれています。本当のところは分かりませんが、AO入試や指定校推薦で大学に合格した人と合わせて、一般受験の努力をしていない人を企業は嫌うのではないかと考えられているようです。

企業によっても異なるでしょうし、確かなことは分かりませんが、頭に入れておいた方がよいと思います。

大学付属中高選択のまとめ

以上のように、大学付属中学や付属高校に進学することには危険が伴います。大学受験勉強が必要ないという甘い罠にかからないで、賢明な選択をなさることを強くお勧めします!

首都圏なら、まずはこちらで志望校を検討してみては?

大学附属・系列校の検討はこちら

ややこしい推薦基準や併願優遇を調べるにはこちらが便利

菜の花子
菜の花子

受験生の皆さん、頑張ってください!

タイトルとURLをコピーしました