
学力、英語力向上のためには、新聞を読むのがおすすめです。中高生向けの新聞としては「朝日中高生新聞」と「読売中高生新聞」があります。ここではこの2つを比較して、どちらがよりおすすめか、考えてみます。
外観の比較
両紙ともタブレット版で、大きさは同じです。
しかし表紙の印象は、随分異なります。
朝日中高生新聞が通常の新聞と同じ縦書きなのに対し、読売中高生新聞は横書きです。
また朝日中高生新聞は表紙から文字が多いのに対し、読売中高生新聞の表紙は大きな写真と見出しが、中高生の目を引くように工夫されています。
さらに私の写真ではうまく再現できなかったのですが、朝日中高生新聞が通常の新聞と同じような色味なのに対し、読売は紙の色が明るく、白っぽくなっています。そのため「新聞ぽくない」印象を受けます。
つまり、普通の新聞により近い感じがするのが朝日中高生新聞、そうでないのが読売中高生新聞だと思います。
以上のことから、新聞を読むことに慣れていない中高生でも手にとりやすくなっているのが、読売中高生新聞と言えるのではないでしょうか。
金額・発行日・ページ数の比較
朝日中高生新聞 | 読売中高生新聞 | |
月額 | 985円(税込) | 850円(税込) |
発行日 | 毎週日曜日 | 毎週金曜日 |
ページ数 | 20~24ページ | 24ページ |
コスパの面では読売中高生新聞の方がやや良いですが、それを理由に選ぶほどの大差ではないですね。
週末にかけて数日に分けて読みたいのなら、金曜日に配達される読売中高生新聞の方が使い勝手が良いかもしれません。「日曜日は新聞を読む日」と決めて取り組むとしたら、朝日中高生新聞でも問題ないですね。
学習コンテンツの比較
朝日の天声人語200字作文
朝日中高生新聞のおすすめポイントは、なんといっても「天声人語」の200字作文コーナーです。
これは、通常の朝日新聞の「天声人語」を題材に、それを読んで中高生に200字の作文を書かせるというものです。
200字ほどの作文は、公立高校入試の国語で多くの県で毎年出題されています。作文は実際に書いてみることで力がついていきます。この朝日中高生新聞の天声人語200字作文コーナーで週に1度作文練習をすることは、良いトレーニングになるはずです。
通常の朝日新聞の「天声人語」を読みさえすれば、中高生新聞を利用しなくても良いのではないかと考える人もいることでしょう。しかし作文が苦手な中学生にとっては、作文の「手がかり」が必要です。朝日中高生新聞の良いところは、「今週の課題」として作文のテーマと文章をまとめるためのヒントが与えられていることです。
さらに作文を書いたら、メールやファックスで投稿することができます。採用されたら紙面で紹介されます。紹介されなくとも、投稿することがモチベーションになり、継続して200字作文に取り組んでいくことができるかもしれません。
読売は河合塾とコラボ
2020年の教育改革により、大学入試では従来のセンター試験が廃止され、それに代わって「大学入試共通テスト」が始まります。
これを受けて、読売中高生新聞は2018年3月に大きく変わりました。大手予備校「河合塾」との共同開発による「ミライ型学力養成講座」を開始したのです。
新しい大学入試共通テストでは、記述式の解答など、今までより、表現力が重視されることになっています。「ミライ型学力養成講座」は、月1回の大学入試共通テスト対策コラムです。作文や小論文など、「自分の言葉で書く」ために必要な知識や技術を学ぶことができるようになっています。
朝日の「天声人語200字作文」も、読売の河合塾とのコラボによる「ミライ型学力養成講座」も、表現力を養うための良い練習なることでしょう。どちらがよりおすすめか、悩ましいところです。
英語学習比較
両紙とも英語学習コーナーを設けていますが、アプローチに違いがあります。
朝日中高生新聞(左)は1面を使って、この回は英検のリスニング問題を掲載。英検ウェブサイトで音声を聞いて問題を解くコーナーを設けています。「真面目」な印象を受けます。
一方、読売中高生新聞(右)は、見開きで2面を使い、楽しいイラスト入りで中高生の興味を引く構成となっています。正しい会話表現を学習したり、入試に役立つ和訳・英訳問題が掲載されたりと、内容が豊富です。
なお、朝日中高生新聞には、上記の英語学習コーナーに加えて、1⁄3面ほどを使った英会話コーナーもあります。読売中高生新聞の英語ページほど目立ちませんが、英語が好きな子が楽しめる内容となっています。
では英語学習の面では、朝日中高生新聞と読売中高生新聞はどちらがおすすめでしょう?
カラフルで楽しそうで中高生の興味を引という点では、読売の方がおすすめな印象を受けます。
ニュース記事比較
両紙とも週に1回の発行なので、1週間の間に起こった大きなニュースを、日にち毎に紹介してくれるニュースコーナーがあります。
朝日中高生新聞(左)が2面を使って1週間分のニュースを解説しているのに対し、読売中高生新聞(右)のニュース解説は1面にも満ちません。「ニュースを読む」という新聞の基本的な面から考えると、朝日の方がおすすめなのかなと思います。
スポーツ記事比較
スポーツニュースには、朝日中高生新聞(左)では1⁄2面弱の紙面が割かれていたのに対し、読売中高生新聞(右)では1面全部が割かれていました。
この意味では、スポーツ好きな中高生には読売中高生生新聞の方がおすすめかもしれません。
「お悩み相談」という共通点
両紙とも、読者が悩みを相談できるコーナーがあります。
朝日中高生新聞(左)も読売中高生新聞(右)も、この回の話題は恋愛に関するものでした。新聞を読む目的の1つは、中高生が活字に慣れ親しんで読解力を養うことです。こういう興味を持てそうな話題の読者参加型のコーナがあることが、新聞を読み続けてくれる動機づけになるかもしれません。
職業紹介という共通点
両紙とも、将来の職業選択について考える助けとなるコーナーが用意されています。
様々な職業についている人々を具体的に紹介しているコーナーです。
せっかく就職しても、3年以内に離職してしまう新社会人が増加しているそうです。中高生新聞を通して、早いうちから将来の職業選択について考えるチャンスが与えられていることは、大いに評価すべきだと思います。
芸能人紹介という共通点
両紙とも、話題の有名人のインタビュー記事を掲載しています。
せっかく新聞を配達してもらっても、肝心の中高生が読み続けてくれないことには話になりません。このような芸能関係の記事があることで、新聞のハードルがぐっと下がります。
なお、朝日中高生新聞(左)の方が、このコーナーについては文章量がやや多いようです。たっぷり活字を読むという意味では、朝日中高生新聞の方がおすすめかもしれません。
中高生新聞比較まとめ
結局のところ、朝日中高生新聞と読売中高生新聞はどちらの方がおすすめなのでしょう?
「とりあえず新聞を手に取って少しでもいいから読むことを始める」という中高生の場合は、読売の方が表紙の絵が大きく、抵抗が少なく取り組めるかもしれません。
また月に1回ではありますが、河合塾とのコラボによる「ミライ型学力養成講座」を試してみたい中高生は、ぜひ読売中高生新聞を試読してみてください。
一方、天声人語の200字作文に取り組んでみたい中高生は、朝日中高生新聞でいきましょう。週に1度天声人語を読み、自分の言葉で意見を書くことで、読解力と表現力が伸びていきます。
どちらもまずは無料で試読してみてはいかがでしょう。また、とりあえずしばらく購読してみて、あとでもう一方に変更するというのもアリだと思います。
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